~9月10日から9月16日は自殺予防週間です~
 
自殺予防週間とは

自殺予防週間は、自殺に関する誤解や偏見をなくし、正しい知識を普及するための啓発週間です。
自殺を予防するためには、自身や身近な人の心の不調に早期に気づき、
ひとりで悩まず相談したり、適切な支援を受けたりすることで、心の健康を取り戻すことが重要です。

しかし、様々な誤解や偏見が、悩みを抱える方を孤立させたり、相談することを躊躇わせたりすることで、
適切な支援につながりづらくなり、問題を深刻化させてしまいます。

このページが、一人一人の理解を促し、悩める方々の支えになれば幸いです。

 

 
令和6年度の市の取組み
9月10日~16日の自殺予防週間に合わせ静岡市では9月を自殺予防月間とし、普及啓発をはじめ、様々な関連事業を実施しています。
1.横断幕・懸垂幕の掲出
日時 9月2日(月)~9月30日(月)
場所 静岡庁舎(御幸町通側)
駿河庁舎
内容 自殺予防週間と静岡市自殺対策を周知するため、横断幕や懸垂幕を掲出しています。
駿河庁舎の懸垂幕の様子 ▶
2.自殺予防の企画展示
日時 9月2日(月)~9月30日(月)
場所 葵区役所1階展示スペース
清水区役所1階展示スペース
駿河区役所1階展示スペース
内容 本市自殺の現状やゲートキーパー、総合相談会等の普及に関する企画展示を行っています。
展示の様子(葵区役所) ▶
3.ニュースレターの発行
静岡市自殺対策推進センター広報誌「しずここニュースレター第31号」を発行しました。
自殺対策は「自殺させない対策」ではなく「生きることの包括的支援」です
 自殺対策は、メンタルヘルスや精神医療が中心と思われがちですが、精神医療だけでは悩みやストレスの原因までは解決できません。
 悩みを抱える人の気持ちに寄り添い、その生活を支えたり、生きがいや希望を持って暮したりすることが出来るよう支援することの全てが自殺対策です。

 

他人事ではない自殺の現状

 

 全国の自殺者は、平成21年以降減少を続けてきましたが、令和2年新型コロナウイルス感染症の影響等によって11年振りに増加に転じ、未だ減少の兆しが見えない状況にあります。

 令和4年には男性・女性ともに自殺者が増加しており、また、小中高生の自殺者が令和4年に過去最多となるなど、幅広い年代での自殺問題が懸念されています。

全国の自殺者数及び自殺死亡率の推移 平成21年から令和4年まで
出典:地域における自殺の基礎資料から静岡市が作成

 

 静岡市の自殺者は、増減を繰り返しながらも概ね減少傾向にありますが、毎年100人以上の方が自殺で尊い命を落としており、これは交通事故による死者数の5倍以上の人数です。

自殺者数及び自殺死亡率の推移 平成21年から令和3年まで
出典:地域における自殺の基礎資料から静岡市が作成

しずここネット
静岡市の自殺の状況ページへ

 

 

 

解消したい「よくある誤解・偏見」
よくある勘違い
実際のところ
 
× 自殺は個人の意思、選択であって、防ぐことができない個人的な問題である。
自殺はその多くが追い込まれた末の死であって、防ぐことのできる社会的な問題である。詳しくは ▼
 
× 自殺は「死にたい」という本人の気持ちを尊重するべき。
自殺を考える人は死にたい気持ちと生きたい気持ちの間で大きく揺れ動いている詳しくは ▼
 
× 自殺は、前触れなく突如として起こる。
自殺の前には、不眠や原因不明の体調不良など自殺の危険を示すサインを発していることが多い。詳しくは ▼
 
× うつ病は、心の弱い人がかかるもので、自分には縁がない。
うつ病は、だれにでも発症するリスクがあり、心の強い・弱いは関係ない詳しくは ▼

 

① 自殺は、その多くが追い込まれた末の死であり、
防ぐことのできる社会的な問題である

 

 自殺の背景には、精神保健上(メンタルヘルス)の問題だけでなく、ハラスメントを含む労働環境、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤立など様々な社会的要因があることが知られています。

 最終的に自ら命を絶つことから、個人の意思や選択と誤解されやすいですが、そうせざるを得ないまでに心理的に追い詰められた結果が自殺であり、「追い込まれた末の死」と言われています。
 また、こうした社会的要因の多くは、公的支援等により、一定の解決または負担軽減が可能です。

 

労働環境
 ⇒ 
労働関係法令の指導監督の徹底
生活困窮
 ⇒ 
各種経済的支援や生活保護
育児や介護の疲れ
 ⇒ 
育児相談、産後ケア、介護サービス

 

<参考>人はなぜ、どのように自殺へ追い込まれるのか

 

 

 自殺の背景は人それぞれ異なりますが、過去の調査研究等から、次のような経路を辿って自殺に至る方が多いということが言われています。

  1. 様々なライフイベント(進学、就職、子育て、介護、老化等)、トラブル(虐待・犯罪等の被害、災害や不運な事故等)により悩みやストレスが増加
  2. これにうまく対処ができず、または適切な支援が受けられず状況が悪化・複雑化(不登校、家庭の不和、失業・退職、生活苦、病状の悪化等の課題を複数抱える
  3. 心身に不調をきたし、うつ状態アルコール依存等の状態になる
  4. 苦しい状態が続き、心理的に追い詰められることで、自殺以外の解決策が見えなくなる「心理的視野狭窄しやきょうさく」に陥るなどして自殺。

このことから、なるべく早期に適切な支援につながることが重要です。

② 自殺を考える人は、死にたい気持ちと生きたい気持ちの間で大きく揺れ動いている

 「死にたい」とは、「死にたいほど辛い」という意味であり、生きたい気持ちの表れとも言われています。
うつ状態などで死にたい気持ちのある方は、「死にたい気持ち」と「生きたい気持ち」の間で大きく揺れ動いており、その中で様々なサインを発していることが多いことが知られています。

 「死にたい」という気持ちの吐露や、自傷行為・自殺企図などは、本人が辛い状況の中で必死に出しているSOSです。
 死にたい気持ちを受け止める側にも非常に大きな負担がかかりますが、「話してくれてありがとう」まずはこの一言から始めましょう。その上で、否定したり、評価したりせず、じっくり話を聴くことが重要です。

 専門的な相談をしたいときは、しずここネット内「相談窓口検索」をご活用ください。

 

 

③ 自殺の前には、不眠や原因不明の体調不良など
自殺の危険を示すサインを発していることが多い

自殺の前には、次の様な自殺の危険を示すサインを発していることが多いと言われています。

自殺の危険を示すサイン
  • うつ病の症状がある(気分が沈む、自分を責める、仕事の能率が落ちる、決断できない、不眠が続く)
  • 原因不明の身体の不調が長引く
  • 酒量が増す 
  • 安全や健康が保てない
  • 仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う
  • 職場や家庭でサポートが得られない
  • 本人にとって価値のあるもの(職、地位、家族、財産)を失う
  • 重症の身体の病気にかかる
  • 自殺を口にする
  • 自殺未遂におよぶ

厚生労働省「職場における自殺の予防と対応」より


 こうした自殺のサインに気付き、声をかけ、話を聞いて、適切な支援につなげて、見守る人を「ゲートキーパー」といいます。特別な資格は必要なく、誰でもなることができます。
 ゲートキーパーについてもっと知りたい方は、次のサイトを参考になさってください。

〇政府広報オンライン

あなたもゲートキーパーに!大切な人の悩みに気づく、支える

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201402/2.html

 また静岡市では、主に悩みを抱える方の相談に応じる支援者に向け、「ゲートキーパー養成研修」を実施しています。
研修の詳細等、お気軽にお問い合わせください。(問合せ先:精神保健福祉課 企画係 ☎054-249-3179)

 

④ うつ病は、誰にでも発症のリスクがあり、心の弱い・強いは関係ない

 うつ病は、100人いれば2~3人はうつ病の症状が見られ、一生のうちでは7~8人に1人はうつ病にかかる、という統計がある程頻度の高い病気で、「こころの風邪」とも言われています。

 うつ病のときには、神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリンなど)の放出量が不足するなどして、情報伝達がうまく行われないことが分かっています。

 うつ病の症状は、気分の落ち込みや意欲低下に留まらず、脳の機能全体が落ちることによる集中力・記憶力・判断力の低下や、さまざまな身体症状として現れます。
 右のような症状が2週間以上、毎日ずっと続く場合は、精神科・心療内科の専門家を受診することが望ましい状態です。
 本人も初期には自覚がなく、周囲の方が変化に先に気付く場合も少なくありません。

 うつ病になりやすい人の特徴としては、「まじめで、責任感が強く、完璧主義な人」と言われています。
 また、女性は男性の約1.6倍程度うつ病になりやすく、生理等によるホルモンバランスの乱れや妊娠出産等女性特有の要因が影響していると言われています。

※出典:働く人のメンタルヘルスポータルサイト こころの耳
  「精神障がいの知識とその正しい理解」より引用
※出典:働く人のメンタルヘルスポータルサイト こころの耳
  「精神障がいの知識とその正しい理解」より引用
 
今現在、悩みを抱えている方へ
 ライフイベントに伴う環境の変化や、いろいろな人との関わりの中で、悩みやストレスを抱えることは自然なことです。
 また、「死にたい」と思うことすらも、特別なものではありません。

悩みやストレスを抱えたときは、ひとりで悩まずに相談してください。

□ 静岡いのちの電話
☎ 054-272-4343(毎日 12:00~21:00)
死にたい気持ちや、さまざまな悩みについて、匿名で相談することができます。
□ てるてる・ハート
☎ 054-262-3033(平日 13:00~16:00)
こころの悩みや病気、障がい等について、匿名で相談することができます。
□ 生きる!を支える総合相談会
一般社団法人 日本産業カウンセラー協会 ☎ 054-254-5151(平日 9:00~16:30)
複雑困難な問題を抱える人に対し、こころの専門家(カウンセラー)・法律問題の専門家(弁護士)・労働問題の専門家(社会保険労務士)が相談に応じる総合相談会を開催しています。
ぜひ、ご活用ください。(事前申し込みが必要です。)
対象:静岡市内のお住まいの方、または静岡市内に通勤通学している方
日時:10月を除く、原則第4水曜日 ①18:30~ ②19:30~
場所:JR静岡駅ビル パルシェ7階
 他にもたくさんの相談窓口があります。しずここネット内の「相談窓口検索」や「相談窓口一覧表」をぜひ、ご活用ください。

 

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