うつ病の治療には、「休養・環境調整」「薬物療法」「精神療法」という3つの柱があります。
うつ病は、脳が疲弊し、脳のエネルギーが低下した状態と考えられますから、酷使した脳を休ませることが大切です。負荷を軽減する環境調整も必要となります。
抗うつ剤は、脳内の神経伝達物質を調整する作用があり、うつ病の程度が中等度以上の場合、より有効とされています。期待される有効性と副作用を慎重に検討し、医師の指示に従い服用しましょう。
支持的精神療法(共感を示し、気持ちを支え、本来の自然治癒力をサポート)と心理教育(療養に必要な情報の提供)が、行われ、とくに軽症のうつ病の場合は、患者背景や病態の理解に努め、支持的精神療法と心理教育を行うことが治療の基本となります。最近では、認知療法(出来事をネガティブな方向に受け止めてしまうパターンを自覚し、バランスの良い考え方にすることを目的)も実施されています。
治療が有効に働くには、十分な睡眠の確保、安定した睡眠覚醒リズム、運動、対人交流など、状態に応じた生活習慣の是正が大切です。